中房川上流

このところ昼間は暑いものの、朝晩は涼しく夜はエアコンが要らなくなった。

山には秋あかねが飛び始め、夜は庭先で秋の虫が鳴き始めた季節は確実に進んでいる。

それにしても果物が美味しい季節がやってきた。

今は松本地区波田のスイカと川中島の桃

ここのスイカは甘く美味しい、燕岳登山の中継点合戦小屋でも売っており名物だ。

登山者の火照った体に清涼感のある甘さが心地良いようだ。

川中島の白鳳と白桃、白鳳は7月下旬から8月中旬で、これからは白桃の時期だ。

白鳳は身が柔らかく甘いが今年は今一つの出来のように思えた。

今後の白桃にブドウのナガノパープルやナシに期待!

8月18日以前から気になっていた中房川上流へ出かける。

燕岳登山口の奥にある中房温泉から東沢乗越登山道に沿うように中房川源流がある。

温泉が湧いているのでいないとか、温泉場の上流なので居るとか噂程度しか聞こえない。

ここは、自らの足と目で確認するしかない。

中房温泉の宿の横を通り抜け登山道に入る。

この温泉宿は標高1462mにある日本秘湯を守る会会員宿で14のお風呂があり

すべて源泉かけ流しで加水や塩素消毒はされていない。

なかでも白滝の湯は、昼間でも一人で入るには勇気がいる私には無理。

理由は簡単「森の中で人はこないが入浴中にクマやサルが入ってきそうだから」

ただ名湯のようなので、他のお風呂には入りたい

一度宿にお願いしたらたら宿泊客以外はだめと断られた。

その時は下の有明荘のお風呂を頂いた、ここも良いお風呂だ。

お湯は単純硫黄温泉で透明の湯に湯の花が舞っている。

内湯の浴槽は木で香りがよく、露天風呂は広く木々に囲まれ心地よい。

スタッフも親切で、風呂上りも休憩場所があり良いところだ。

登山道をしばらく上がり砂防堰堤二基目から沢に入る。

しばらく歩くが魚の住み着きそうにみえないし魚の気配もない。

所々で竿を出すが反応なし、大きな二段堰堤が現れる。

登山道は離れているようだ、戻るのもいやだ。

堰堤横の急な崖の藪を掴みはいずりながら一人登る

俺は野生動物か?彼らの気持ちがなんとなくわかる。

こんなところで獣に出くわしたら私でも「わぁびっくり」で襲ってしまいそう。

昔の猟師は獣道や仙道を歩き北アルプスを庭のように闊歩していたという。

凄いの一言だ、ロマンを感じるのは私だけか・・・

沢を歩くが変化なし、やがて登山道の簡単な鋼管足場で組んだ橋が架かる所に来た。

この少し先の堰堤まで探るが魚はいない、この先横の登山道も藪漕ぎ状態になってくる。

あきらめ戻ることにする、どなたかこの上流での釣りをした方教えてください。

ちなみの、この登山道には初心者は行かないほうが良いと思う。

下に降り有明荘より下の川に入る。

ここは道路からのアプローチがよく釣り人も多いがこの辺にする。

やはり一人入っていたので横の沢に逃げる。

タイムリミットは2時間位か、目標は夕食のおかず一品確保。

小さな落ち込みの岩陰に餌を落とす。

目印がもぞもぞと不規則な動き、ゆっくりと動かすと小さく引っ張る感触

軽く合わせると手ごたえが、岩陰に逃げるが釣りあげる。

26cmくらいか

3Bのオモリで流す、2回入れてあげようとしたら手ごたえあり「食ってる」

アタリに気づけないとは不覚!!

結構引きが強い、いなしながら引き寄せタモに取り込む。

28cmのイワナ、尾びれがオレンジ色で綺麗だ。

小さな滝壺がありオモリなしで流心から左わきへと自然に流してみた。

深さもあり乱流気味のうえ、流れが速いようで餌の動きが速い

オモリを取り付けようと胸元のポケットに視線を移した時

「グ、グッー」いきなり竿を持って行かれる、予期しない出来事。

強烈な引きで一瞬慌てたが、即座に気を静め慎重に駆け引きを始める。

岩陰に逃げ込む、そうはさせずと横にいなす「逃がさんぞ~」。

今度は逆方向に逃げる、あちさんも必至だワクワクする。

何度も右へ左へと逃げ、やり取りするうちに姿が見えてくる「でかい!」

タモを取り出し近づけるが、ぎりぎりでまた逃げる往生際の悪いところが良い。

最後まで目で楽しませてくれる、やっと取り込む。

尾びれの端はオレンジ色、お中から下は黄色で身も厚い。

とても綺麗な傷のないイワナだ、測ってみると33cmだ。

時間は14時潮時だ。

今晩のおかず2匹を残し、尺イワナを含め残りは沢に帰っていただいた。

この時期産卵が近づいているので大きなイワナは放すことにしている。

近日中にこの小さな滝の上流を遡上してみたいと思う。

安曇野遊山人/渓流釣り・田舎暮らし

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