熊との出会い

前日の天気予報では天気図もヤマケイ予報も晴れ

朝起きて山の方をみると中腹までガスかかっており、前日までの暑さが嘘のように肌寒い

これだけ急に気温が下がると、イワナが岩陰に隠れ出てこないのではないかと思うが沢に出かける事にする。

最初は烏川系の支流に行く、この沢は釣れる時とダメなときの差が激しい沢である。

結果は思った通り、2~3当たりはあるが食いも浅く釣れない、やはり急激な気温低下は致命傷。2時間ほど釣りあがるが、長居は無用この沢は退散

場所を変えて中房川の支流にでかける。昼前に車止めにつき、車をおりる。気温は15度くらいで肌寒い、沢は薄暗く苔むした岩と生い茂る木々に聞こえるのは沢音のみ美しい、しばらく沢音と山の中にたたずむ。

この沢は信濃富士とよばれる有明山2268mの登山道が添っている。 

登山者をほとんどみかけることのない静かな森の中の登山道である。

いつものように爆竹をならし、クマよけスプレーの携帯を確認し沢に入る。ここのイワナは大きくないが、家内の指令は唐揚げのイワナなので15cm程度でOK

沢に入り釣りながら1時間ほど上流に上って、小さなよどみに糸を垂れていた時上流の方に気配が・・・

(いつも山に入っていると遠くから見る獣の気配が感じられるようになる)

上流に目を向けると、20mくらい上方に黒く大きなものが左側から沢を横断しようとしている。 初めての遭遇、クマだ!

一瞬、周りの空気が止まったように感じた。

旅館にあるはく製や動物園で見るようはものとは全く雰囲気が違う大きなツキノワグマ。    毛並みは黒く光っており、歩く姿はしなやかで足音がしない美しい。          しかもスキがない武道の達人のように見える。   

こりゃ、私はもとより知っている武道家の連中でも素手では絶対勝てないというよりも、  勝ためのシミュレーションさえが浮かばない。

これが野生のクマか、山に入り猪、鹿、猿、など安曇野に移住し見てきたけれどこれほどまで美しいと思わなかった。感動する

とりあえずクマよけスプレーの安全ピンを外し臨戦態勢にはいる。

あちらさんは、私に気づかれずにそっと通り過ぎようとしていたようだが、私がカメラを取り出そうとした為に、お互い目が合っちゃった。あらら・・・動きをゆるめ少しこちらをみたけれどやがて目をそらし、すこし歩調を速めながら沢を渡る。

その後、人だと四つん這いでも登れない山の斜面を軽やかに舞うように消えてしまった。驚いたのは、音がしない・・・早く山の急斜面を登っているのに不思議だ。そして森の中へ消えていった。

もちろんこの後は、家内の指令を遂行するべく唐揚げ用のイワナを確保し帰途につく。

くまさんとは、また出会いの機会があるも・・・

皆さん、登山でも2000m以下ならクマよけスプレー携帯をお勧めします。

安曇野遊山人/渓流釣り・田舎暮らし

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